大青工業株式会社

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#サーバレス#AWS#Aurora#DX

創業75年 青森の老舗企業は紙とFAXの業務管理からどう脱却したか?日報システムのAmazon Aurora Serverless活用事例

Client

大青工業株式会社

青森県青森市に拠点を置く、1948年創業の冷蔵冷凍設備の製造開発、販売、メンテナンスを行う企業。「冷熱をデザインする」を理念に、野菜、果物、水産物等の高品質・長期鮮度保持に取り組んでいる。

https://www.taiseiaomori.co.jp/

ヘプタゴンが
お手伝い
したこと

  • 紙の日報から脱却するために「日報システム」を開発。付随する月次処理などのバックオフィス業務が圧倒的に効率化、総務部の残業時間を削減
  • 「フォーマットをコピー&ペーストするだけで完結する」日報で記入時間を10分の1にまで削減。たった30秒で総務への提出が完了
  • データベースに Amazon Aurora Serverless を採用。利用量に応じた従量課金で、24時間稼働が不要な日報システムのコスト感に最適。デジタル化によるデータ再利用の容易さも満足度が高い

創業75年以上の歴史を持つ大青工業株式会社は、冷蔵冷凍設備の開発・製造を行ってきた青森県の老舗企業です。「事業課題を AWS の活用で解決する」というコンセプトのもと「IoT 導入による冷蔵冷凍設備の省力化」や「冷蔵冷凍設備の遠隔監視による異常検知システムの構築」などのプロジェクトをヘプタゴンとともに取り組んできました。

そんな同社が経営管理上の課題としていたのは「紙と FAX による日報のアナログ管理による総務部の残業発生」でした。バックオフィス業務の効率化を図るために、ヘプタゴンが支援した「Amazon Aurora Serverless を用いた社内日報のデジタル化」について、同社技術本部 IoT 主任 米塚 明央さまにお話しいただきます。

「人手不足」という課題と向き合うために、少数精鋭で事務作業の負荷を極力軽減したい

── 2023年12月現在、大青工業様は現在従業員が50名以上いらっしゃいますね。社内はどのような部署で構成されているのでしょうか? 

当社は主に、6つの部署に分けられます。営業本部・技術本部・メンテナンス本部・氷温事業室・総務本部・八戸営業所です。すべての部署の管理業務や今日の主要テーマである日報の管理は総務本部で行っています。総務本部は、3人という少数精鋭で成り立っている部署です。

大青工業株式会社 技術本部 IoT 主任 米塚 明夫さま (画像右) と総務担当スタッフ (画像左)

── 6部署50人以上のバックオフィス業務を3人で対応するとなると、現場の作業負荷は大きそうですね。

はい。日報管理に限ると事務作業の担当者は2人ですが、月次集計処理(労働時間・残業計算、休日などの集計など)や工事原価計算などは、週末のまとめ作業として対応しています。

工事原価計算は、工事現場へ赴く社員から、労働時間と各物件の工事番号(自社のデータベースに入っている受注番号)を日報で提出してもらう必要があります。以前の日報は、各部署規定の定型用紙に記入、FAX で提出するといった流れでした。現場作業員の記入の手間と FAX の提出による遅延、総務の日報確認と処理に費やす残業時間は大きな課題です。

この課題を、クラウドファーストの思想で同じ目線に立って解決してくれるパートナーは誰だろうと考えたとき、真っ先にヘプタゴンを思い浮かべ「社内日報のデジタル化」を相談しました。

Aurora Serveless を使用した日報システムで、日報作成の時間を10分の1まで削減!残業時間の削減に貢献

── ヘプタゴンの社内日報のデジタル化支援によって、当初の課題感はどのように解決されましたか?

日報に付随する月次処理などの業務が圧倒的に効率化され、残業時間を削減できました。従来の紙と FAX による日報提出は「フォーマットをコピー&ペーストするだけで完結する」日報システムに置き換わりました。

紙の日報は、手で書くと最大5分はかかりましたが、いまは30秒で提出まで完了します。現場作業員の手間は削減され、提出の遅延も解消されました。総務部で発生していた、月次集計処理のための残業はなくなり、通常の勤務時間内に業務が終わります。総務の工数の体感値としては、今までが10だったとすると、それが2になった感じです。

── 日報システムを現場の作業員や総務の方はどのように利用しているのでしょうか?

日報システムはパソコンで使えるように、Web ブラウザアプリで開発しました。一般社員が、社内、現場、出張先で毎日システムを使用しています。

特に現場作業員の日報記入の負担を下げるために、シンプルな操作画面にしています。記入者は日時・労働時間・工事番号などをプルダウンメニューで選択するだけで入力可能です。工事番号は、自社のデータベースと紐づいているので、番号に間違いが起きません。

日報システム操作画面 (作業日報)
日報システム操作画面 (実績登録)

── 日報システムには Amazon Aurora Serverless が使われているそうですが、その理由を教えてください。

将来的なスケーリングと仕様変更、技術的な寿命が生じた際のデータ再利用等の容易さを考慮にいれた結果、Amazon Aurora Serverless を採用しています。Amazon Aurora Serverless は利用量に応じた従量課金なので、24時間稼働が不要で日中だけ使われる日報システムの用途や費用面を考慮すると最適でした。

Amazon Aurora Serverless を含めたインフラ、アプリケーションの技術選定、設計はヘプタゴンに一任しましたが「使いやすさ」という観点でも問題なく使えているので、満足しています。

日報システム導入・利用浸透で、業務のデジタイゼーションに対する現場社員の意識を改革

── 大青工業様は DX 推進という観点で技術的な取り組みをされていますが、今回の日報システムに対する社内の反応はどうでしたか?

日報システムによってもっとも変化を感じたのは、紙に慣れていた現場社員の意識です。業務のデジタル管理に対する苦手意識が薄れました。実際に「業務アプリを使うのは大変」という言葉を彼らから聞かなくなったのは大きな手応えですね。

日報システムはスマートフォンにも対応しており、外出先からも簡単に使用できる

今回はバックオフィス業務の改善で、日報システムの開発をヘプタゴンに依頼しましたが、社内業務のデジタル化や新規事業などの DX (デジタルトランスフォーメーション) 推進は今後も力を入れて取り組みます。引き続きヘプタゴンには「クラウドファースト」を目指す、技術的挑戦を共にするパートナーであり続けることを期待します。