AWS で変革する市民音楽祭の未来ークラウド導入でアクセス1200倍の高負荷に耐え・コストを削減
Client
公益社団法人 定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会
毎年9月に仙台市都心部各所の街角をステージに催される市民音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」の企画・運営を実施。
設立当初から「ステージは街です」「あらゆるジャンルの音楽で溢れます」「市民みんなで作っています」という3つのコンセプトを大切にしたフェスティバル運営を行っている。
ヘプタゴンが
お手伝い
したこと
- フェスティバル開催時のウェブサイトアクセスは平常時の1200倍。レンタルサーバーを AWS の仮想サーバーへ移行するとともに、CDN (Cloudflare)と組み合わせることで、アクセス集中時の耐性を強化
- フェスティバル開催前後にだけアクセスが集中するウェブサイトの性質とクラウドの特徴がかみ合い、管理費用が25%削減
- ヘプタゴンによる迅速なシステム基盤の補強で「ウェブ専任」不要の体制に。事務局運営の「大きな安心感」を実現
2日間で約70万人もの観客が仙台市に来場する、定禅寺ストリートジャズフェスティバル(じょうぜんじストリートジャズフェスティバル)は、仙台市都心部各所の街角をステージに催される市民音楽祭として毎年9月に開催されています。
フェスティバルの開催前後・当日は、ウェブサイトへのアクセス数が平常時の1200倍となる12万アクセスとなり、負荷に耐えられずレンタルサーバーがダウンし、ウェブサイトに繋がらない事態が起きていました。ヘプタゴンの支援でレンタルサーバーを AWS に移行したことで、アクセス集中時への耐性を強化し「落ちにくいウェブサイト」を実現するとともに、管理費用を25%削減できました。
ヘプタゴンの支援により「大きな安心感とほかの仕事に時間を充てる余裕が生まれた」と語るのは、お祭りを運営する公益社団法人定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会の事務局小山様。ヘプタゴンの支援によって生まれた変化とその影響について、お話しいただきます。
2日間で70万人もの観客が仙台市に集結する、大型音楽フェスティバル
定禅寺ストリートジャズフェスティバルについて教えてください。
公益社団法人 定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会は、仙台市都心部各所の街角をステージに催される市民音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」を毎年9月に開催しています。例年、9月第2日曜日とその前日に開催され、期間中は、市内が音楽一色となります。
同フェスティバルは、1991年の初回開催から2024年で33回目の開催を迎えました。設立当初から「ステージは街です」「あらゆるジャンルの音楽で溢れます」「市民みんなで作っています」という3つのコンセプトを大切にしています。
2024年は参加バンド635グループ、ステージ数82ステージ、2日間で70万人の観客の方にご来場いただきました。「仙台5大祭り」の秋の風物詩の1つとして数えていただけるようになりましたが、これからもお祭りをつくり上げたすべての皆さまに感謝して継続していければと思います。
公益社団法人としてフェスティバルを運営されているとのことですが、何名体制で運営していますか?
当会はボランティアを中心に運営しており、現在70名程が在籍しています。常駐している事務局員は年間に渡り総務や経理、事業に関する公的書類の作成や内外の打ち合わせなどを行っています。事務局は現在、私を含めた2名体制で運営しています。
定禅寺ストリートジャズフェスティバルは2015年に公益社団法人化したのですが、我々のような市民音楽祭が法人化するのは珍しいようです。来年2025年には法人化して10年目を迎えます。次の10年で9月の本祭以外でも街の活力に繋がるような何か新しい動きができないか、現在色々と模索しているところです。
フェスティバル開催時のアクセス負荷は平常時の1200倍。サーバーダウンのリスク対策に課題
ヘプタゴンが支援をした、ウェブサーバーのクラウド化・AWS 移行プロジェクトについて教えてください。
定禅寺ストリートジャズフェスティバルのウェブサイトはフェスティバル開催当日・前後にアクセスが集中します。とある年のアクセス数は最大12万アクセスと平常時から1200倍でした。アクセス負荷によるレンタルサーバーのダウンも過去経験しましたが、フェスティバルの繁忙期間に重なってくるので精神的にも肉体的にも負担が大きく、夜通しで対応したこともありました。
こうした事態を踏まえると事前に対策を打つべきですが、極端にアクセスが増えるのは、1年のうちの7日程度で、その対策のためにサーバー補強に費用や労力をかけるのは効率が悪いものでした。当時契約していたベンダーに相談をして、サーバーのスペック増強も検討しましたが、予算オーバーだったので、悩んでいました。
その矢先に、信頼している企業様からの紹介でヘプタゴンを知り、レンタルサーバーから AWS に移設する提案とフルマネージドサービスによる支援をいただきました。
AWS 移行で実現した、25%の費用削減と安定稼働の両立による「大きな安心感」
ヘプタゴンの支援によって、想定していたリスク対策や費用面での変化はいかがでしたか?
ヘプタゴンにフェスティバル開催前後・当日にだけアクセスが集中するといったウェブサイトの性質に即した最適なサーバーのスペックを相談した結果、AWS への移行を提案いただきました。
これにより、サーバリソースの増強、縮小が柔軟にできるようになりました。合わせてウェブサイトの前段に CDN (コンテンツ・デリバリー・ネットワーク) として Cloudflare を組み合わせ、大量アクセスへの耐性強化と、転送量のコスト削減の2つを実現できました。ヘプタゴンの支援を受けてからは、ウェブサイトにアクセスが集中しても全くダウンしていません。
さらに、AWS への移行後の管理費用は定額でご提案いただき、経費の見通しが立てやすく助かっています。委託業務の内容が若干異なるため一概には言えないものの、以前は年間で最大40万ほど費用がかかっていましたが、そこから25%も削減できたので高い費用対効果を実感しています。
総合的にヘプタゴンの支援にとても満足しています。サーバー運用についてはほぼこちらの負担がない状態で保守いただけているのでありがたい限りです。問題なくウェブサイトが開いているというのは、本当に大きな安心感に繋がっています。
ヘプタゴンの支援を受けたことで、予期せぬ効果はありましたか?
ウェブサイト関連で困った時にヘプタゴンにメールで問い合わせるとすぐにご回答をいただけます。
ヘプタゴンの対応で「待たされた」と感じたことはこれまでありません。常に迅速かつ的確に応対していただき感謝しております。
サーバーの保守だけでなく、毎年のウェブサイトのドメイン更新もほぼこちらの負担なく対応いただけているのは嬉しい誤算でした。
ヘプタゴンによるシステム基盤の補強で「ウェブ専任」不要の体制実現。フェスティバル運営効率が向上
ヘプタゴンの支援がなかったら定禅寺ストリートジャズフェスティバルの運営はどうなっていたと思いますか?
ひいひい言っていたと思います(笑)。
先程もお話した通り、ほぼこちらの負担がない状態でサーバーを保守管理いただけているので、ほかの仕事に時間を充てる余裕が生まれました。
他にも、ヘプタゴンの支援以降「ウェブ担当」というポストが良い意味で不要になりました。以前は実行委員の中に専任がおりましたが、実行委員同士の情報の引き継ぎなど難しい面もありました。ヘプタゴンにご支援いただいてからは、ウェブ担当が対応する業務自体が大幅に減ったので、専任を設ける必要もなくなり、引き継ぎなどの懸念も解消されました。
今後の展望について教えてください。
ヘプタゴンによる AWS 移行の結果、ウェブサイトへのアクセス耐性を強化できたことで、ウェブサイトを活用したコンテンツや情報の発信をより強化していきたいと考えるようになりました。
最近は観客の情報収集が紙媒体からウェブにシフトしているので、観客の趣向に添うかたちで、定禅寺ストリートジャズフェスティバルから「市民音楽祭」の可能性を広げるシステムやサービスを生み出せていけたら素敵なことだなと思います。
たとえば、仙台市は市役所を建て替えており、街が変革期の真っ只中ですが、そういった変革の中にこそ好機があるかもしれません。観客や街の変化にあわせた音楽コンテンツの配信や企画の可能性をヘプタゴンと一緒に模索したいです。