アイティコワーク

Keywords

#AWS#クラウド#DX#Amazon Cognito

地方版CCoEモデルでインフラ人材不足を解消!アイティコワークとヘプタゴンの6ヶ月の軌跡

Client

株式会社アイティコワーク

青森県八戸市に拠点を置くシステム開発企業。達成すべき目標を共有し、実現手段を共に考える「伴走型」のシステム開発を特徴に、全国の顧客に対して事業を展開している。

https://www.itcowork.co.jp/

ヘプタゴンが
お手伝い
したこと

  • ヘプタゴンのフルマネージドサービスで、ITインフラ領域の懸念が解消でき、自社の得意領域であるフロントエンド開発に注力できた
  • キックオフからリリースまで6ヶ月の短納期でユーザー認証は高度な技術要件が求められるプロジェクトだったが、Amazon Cognitoを採用したスピーディなスクラッチ開発を実現できた
  • ヘプタゴンのAWSを用いたITインフラの保守・運用により、約180万円ほどのコストを削減できただけでなく、当初の納期・予算でプロジェクトを無事に完了できた

株式会社アイティコワークは青森県八戸市に拠点を置く、アプリ・システム開発企業です。お客様と達成すべき目標を共有し、どうすれば実現するのかを一緒に考える伴走型のシステム開発事業を軸に事業を展開しています。

アイティコワーク社が首都圏の企業と進めたSaaSサービスの立ち上げプロジェクトにおいて、ヘプタゴンはフルマネージドサービスを通じ、AWSを用いたITインフラの設計・構築・運用の支援を行いました。

ヘプタゴンの支援により、6ヶ月の短納期で高度な技術要件が求められる難易度の高いプロジェクトを、計画通り完了した同社。さらに、ヘプタゴンのAWSを用いたITインフラの保守により、約180万円ほどのコストを削減できたと語るのは同社取締役 岡本信也様。ヘプタゴンの支援によって生まれた協業体制とヘプタゴンが掲げる「地域のCCoE」についてもお伺いしました。

青森を拠点に、地域に根付いた開発体制で全国からの案件に応えるアイティコワーク

アイティコワーク様の事業概要について教えてください。

アイティコワークは、青森県八戸市に拠点を置く、アプリ・システム開発企業です。スマートフォンアプリ受託開発事業とGeneXus(ジェネクサス)を用いたシステム開発事業を軸に事業を展開しています。

一般的な受託開発の場合、指示を聞いて作業を請け負うだけの関係になりがちですですが、当社はそういった作業ではなく、お客様とクリアすべき目標を共有し、どうすれば解決できるのか一緒に考える前向きな姿勢で仕事に取り組んでいます。

目に見えないシステムを扱うため、クライアントとのやり取りは気持ちをもって応対しているのですが、これが当社の独自性につながっており、2024年で13期目に入りました。

アイティコワーク様がヘプタゴンと共同で進めたプロジェクトのなかで、もっともシナジー(相乗効果)を感じたプロジェクトについて教えてください。

ヘプタゴンとはさまざまなプロジェクトで協業してきました。特に相乗効果を生み出せたプロジェクトに、中小企業の事例を紹介するSaaSの受託開発プロジェクトがあります。このプロジェクトは、キックオフからサービスリリースまで6ヶ月間という短納期で、なおかつ高度な技術的要件が求められるプロジェクトでした。

難しい条件なのは理解していましたが、現在のスキルから1.2倍ほど背伸びすれば対応できたこと、成功させれば社員の技術力と会社の影響力を高められる実績になりうることから受注したプロジェクトです。

ヘプタゴンには、SaaSのプラットフォームとしてAWS上でのインフラ基盤の設計・構築・保守を支援してもらいました。当社の事業はプラットフォーム上でのシステム開発に特化しているため、開発は当社、システムを動かすAWSの設計や保守はヘプタゴンといった分業体制にすることで、当社の強みを活かしたサービス開発ができました

プロジェクトを進めるにあたって困っていたことは何ですか?

主に2つの課題を持っていました。1つ目の課題は、当社に不足しているAWSのノウハウが求められていたことです。このプロジェクトは、ユーザー管理や認証の設計と構築が求められていましたが、当時はこうしたノウハウが当社にはありませんでした。

2つ目の課題は、納品後のITインフラの保守・運用を求められていたことです。当社はプラットフォーム上の開発を強みとしており、納品後のインフラ周りの保守・運用を担当できる人材が不足していました。

ヘプタゴンのフルマネージドサービスは、これら2つの課題を解決しました。1つ目の課題は、ヘプタゴンから「Amazon Cognito(AWSが提供するモバイルやWebアプリ向けのユーザー認証サービス)」の提案を受け、設計から構築まで一通りお任せできたことで、6ヶ月間と限られた納期でスピーディな開発を実現できました。2つ目の課題感についても、当社の苦手分野でしたが、ヘプタゴンに依頼することで、お客様の期待に応えることができました

6ヶ月の短納期でサービスをリリース、保守・運用面では約180万ほどコスト削減に成功

ヘプタゴンの支援はどのように評価していますか?

このプロジェクトは、キックオフからリリースまで6ヶ月という短い納期で、使える予算も限られていました。それに加え、AWS上のインフラ構築については私たちの専門領域とはやや外れた技術的要件を求められていました。また、本来であれば納品後のITインフラ保守・運用のために社員1人分の人件費、約180万円ほどの費用を追加投入する必要もありました

当社にとってハードな条件下でも「ヘプタゴンに相談できる」という切り札があったおかげで、安心感を持ちつつ、限られた納期・予算で計画通りにプロジェクトを進められました。今振り返ると、ヘプタゴンがいなかったらこの案件をそもそも受けていないと思うので、支援内容や費用感など総合的に高いサービス内容で満足しています。

予想外の効果などはありましたか?

ヘプタゴンと協業することで、自社のコア事業に集中できる環境が作れました。当社はプラットフォーム上のシステム開発を強みに事業展開しているため、クライアントサイドの開発を行えるアプリケーションエンジニアを積極的に採用しています。しかし、ITインフラの構築や24時間365日体制での保守に対応できるエンジニアは不足しているためヘプタゴンにお願いしています。

私自身はもともとクライアントサイドからサーバーサイドまで、一通りのシステム開発業務を担当しましたが、経験上、エンジニアはこのどちらか片方に強みが出るものと考えています。だからこそ、クライアントサイドはアイティコワーク、ITインフラを含むサーバーサイドはヘプタゴンといった、会社の枠を超えた「地方」という枠で一つの開発会社のような協業体制にすることで、当社として受けられる開発案件の幅を広げやすくなりました

未来のために「地域のCCoE」を地方の開発会社に広め、re:Light TOHOKUの成功モデルを増やす

ヘプタゴンとの協業体制の話がありましたが、地方の開発会社特有の課題についてどう考えていますか

この話は、ヘプタゴンが推進している「re:Light TOHOKU」で提唱された「地域のCCoE*」に関連します。

(*) 地域のCCoE:ヘプタゴンが推進する東北地方のクラウド活用を推進するプロジェクト「re:Light TOHOKU」では地域を一つの組織に見立て、地域のクラウド活用推進の軸となるシステム開発会社を地域のCCoE (Cloud Center of Excellence) として定義。地域のCCoEを中心に地域一丸となって地域事業のクラウド活用を推進することで、地域のデジタル化推進とデジタル人材不足の両方を解消し、地域から高い競争力をもつビジネスを創出し続けることが可能だと考えています。(参考 : AWSの協力の下、東北をクラウドネイティブにするプロジェクト「re:Light TOHOKU」を始動)

大手企業との対比にはなりますが、地方の開発会社には、特定の技術職の需要を満たす仕事を継続的に確保できないため、正社員として雇用するのが困難な現実があります。

例えば、インフラエンジニアやデザイナーは、事業には絶対必要ではあるけれど、当社のような開発を専門とした地方の開発会社では、彼らに担当してもらう仕事の量はプロジェクト全体の2割程度とどうしても少ないです。地方での勝ち筋として、自社だけで解決しようとせずに、インフラはヘプタゴンといったその分野のプロフェッショナルへ積極的に頼り、地域全体で協業できる体制を構築するのが望ましいと考えています。

地方の開発会社ならではの課題解決に向けて、今後どう取り組みたいですか?

地方の開発会社というよりも当社の課題にはなりますが、2つあります。1つ目は、アイティコワークとして地場の事業会社向けの開発案件の割合をもっと大きくしたいこと、2つ目は、新入社員の技術教育にも力を入れたいことです。

地方の事業会社にデジタル化やデジタルトランスフォーメーション (DX) を積極的に提案して「やっぱりデジタル化やDXをしないと駄目だ」と危機意識を持ってもらうのは困難で、多くの時間や労力を割かなければならない現実があります。しかし、地域全体の視点で見るとこの労力をコストとは考えずに、地域の未来への投資と考えて、積極的に行動する必要があります。

そこで構想しているのが、地場の事業会社に技術的な難易度や導入障壁が低いシステム案件を積極的に提案し、そこに新入社員をアサインすることで、お客様にとっては開発費用を抑えることができ、当社は新入社員の実績を積むことができる、Win-Winの形を作ると言う構想です。

ヘプタゴンは、KAWACHO RICEさんや大青工業さんなど地場の事業会社のデジタル化推進を手がけてきた実績があるので、お互いに蓄積されたノウハウを共有しながら一緒に地域全体のDX推進を行い「re:Light TOHOKU」のビジョンを実現していきたいです。