八戸市の老舗物流システム企業が果たしたクラウドリフト : AWS導入で開発事業の全国展開を実現
Client
株式会社アイティークレスト
青森県八戸市に拠点を置く、1982年創業の物流業向けシステムを中心としたシステム設計・開発を行う企業。関連会社・株式会社共同物流サービスとの交流や長年のノウハウで、倉庫管理や流通加工のシステム開発に強みを持つ。
ヘプタゴンが
お手伝い
したこと
- ヘプタゴンのフルマネージドサービスで、システム開発事業の IT インフラに AWS を導入、クラウド化。商圏が市内から県内、県外へ拡がり、今では全国にお客様がいる状態を築けた。
- オンプレミスからクラウドに移行し、IT インフラの運用・監視はヘプタゴンが支援する体制を構築。開発だけでなく保守やアフターサポートも自社のサービスとして提供できるようになり売上が向上。ヘプタゴンに支援を依頼することで、インフラに関する固定費はおよそ70万円以上は削減できた。
- AWS でシステム開発の IT インフラ基盤を構築したことにより、20代の若手が主体となるローコード開発ツールを用いた開発事業など、新しい挑戦を会社で支援できるようになった。開発経験が浅い若手の人材育成に好影響。
株式会社アイティークレストは、2024年で創業42年を迎える物流業向けシステムを中心としたシステム設計・開発企業です。関連会社の株式会社 共同物流サービスと40年以上の付き合いがあり、倉庫管理や流通加工のシステム開発への長年のノウハウが大きな強みです。
アイティークレスト社が事業規模拡大のために実施した「卸団地システムのAWS・クラウド化」のプロジェクトにおいて、ヘプタゴンはフルマネージドサービスを通じて、アイティークレスト社を10年以上支援しています。
自社案件で使用する IT インフラを AWS 導入・クラウド化することで、システム開発事業の商圏が市内から県内、県外へ拡がった同社。最近ではクラウドを用いた開発事業にも力を入れており、若手社員のローコード開発のスキルが上がるにつれて、会社の売上も伸びていくことが期待されています。
そんな同社のシステム開発課 辻村 和弘様に、ヘプタゴンの支援によって生まれた事業へのインパクトと社内の変化について、お話しいただきました。
創業42年、卸団地システムの AWS 導入・クラウド化プロジェクト
アイティークレスト様の事業概要について教えてください。
物流業界を中心としたシステム設計・開発を主力事業としており、パッケージ販売ではなく、お客様の要望を聞いて開発を行うオーダーメイド型のシステム開発に特長があります。
関連会社である、共同物流サービス様とは40年以上の付き合いがあり、倉庫管理や流通加工など物流業向けシステムの開発・運用に長年のノウハウがあるのが大きな強みです。当初は物流システムの開発が主流でしたが、事業の多角化に力を入れており、現在は県内外にある複数の施設の会場予約システムを開発しています。また、ローコード開発ツールによるシステム開発も手がけるようになりました。
新規事業として始めたローコード開発ツールによるシステム開発には株式会社インプリムが提供する「Pleasanter® (プリザンター)」を使用しており、これが若手エンジニアの成長を後押ししています。Pleasanter® はライセンス不要で導入できるので、EC2 によって物理サーバーなしですぐ導入まで持っていけるので AWS とは相性が良く、ヘプタゴン様に監視サービスを含めて当社の事情に合った構成を低コストで提案いただきました。
フルマネージドサービスによる伴走型支援をした「卸団地システムの AWS 導入・クラウド化」プロジェクトについて教えてください。
ヘプタゴン様とはもう10年来のお付き合いになりますが、最初のプロジェクトは2013年ごろで、青森県八戸市の卸団地をターゲットとした会場予約システムでした。当初は協同組合八戸総合卸センター様のみの利用に留まっていましたが、システム開発の売り込みを通じて卸団地以外の貸会場を運営している八戸市内、青森県内施設にも利用が広がり、現在では山梨、福島、金沢、長崎など県外施設の会場予約システムの開発も手掛けています。
ヘプタゴンの支援以前、八戸総合卸センター様の会議予約は紙の台帳で管理されていました。そのためお客様も八戸市の卸団地以外の予約を受け付けるのが難しい状況でした。本プロジェクトを通じ、会議予約台帳管理のデジタル化と予約管理システムが完成したことで、お客様の課題が解決できただけでなく、八戸市の卸団地以外のお客様にもクラウドでシステム開発を売り込みできるようになり、当社の販路が拡大しました。
会議・会場管理システムの IT インフラは設計から運用まですべて AWS で行われており、ヘプタゴンには「フルマネージドサービス」を通じて IT インフラ領域のご支援をいただきました。現在でも24時間の監視サービスをお願いしています。
いまではクラウドを用いたシステム開発は売上成長を牽引する存在
ヘプタゴンの支援はどのように評価されていますか?
八戸市以外の卸団地など多様なシステムを手掛けられるようになったことで、自社事業の横展開も可能となり、現在ではクラウドを用いたシステム開発は当社の売上成長を牽引しています。
こうしたクラウドの恩恵は、卸団地の会場予約・倉庫・物流など、当社が手がけるすべてのシステム開発で受けています。ヘプタゴンの支援でオンプレミスからクラウドに移行しただけでなく、運用・保守やアフターサポートも自社対応可能となったことで、物理的に離れた全国のお客様の案件を積極的に受けられるようになりました。
ヘプタゴンの決め手は柔軟性の高い提案力。支援による高い費用対効果
数ある企業から、ヘプタゴンをパートナーに選んだのは、何が決め手になりましたか?
当初クラウドは導入費用が高いイメージから、予算には見合わない印象を持っていました。当社のお客様は中小規模の企業がボリュームゾーンで、クラウドは採算が合わない懸念に対し、ヘプタゴン様から1つのサーバーで複数のお客様と共有するような構成であれば予算内で対応できると、クラウドのメリットを活かした提案をいただき当初の懸念は払拭されました。
他のシステム開発会社にも同じ相談をしましたが、パッケージ提案のみの会社が多かったなか、ヘプタゴンは当社の要件や予算などの要望を親身に汲み取り、柔軟に様々な提案をしてくれたことがパートナーに選んだ決め手でした。
ヘプタゴンの支援の費用対効果はいかがでしょうか?
IT インフラを担当するグループを内製する話も社内であがりましたが、クラウドサーバーの運用監視は社内実績がなく、24時間監視やセキュリティ対策を自社で対応するのは難しいという結論になりました。仮に自社で対応するとした場合、インフラの構築担当1人、24時間の監視をする場合はこれにもう一人の、最低2人以上は人員配置をしなければならず、月あたりの人件費に換算すると70万円以上の費用がかかる想定です。
それに対してヘプタゴンのフルマネージドサービスは設計・構築に加えて監視も付いているのでとても費用対効果に優れていると感じています。一般的にシステムを新しくすると人件費が加算されますが、AWS 導入やクラウド上への実装に対する支援を受けたことで、社内の人員を追加の人件費なしで効果的に配置できました。
若手エンジニアを中心に DX 推進!ローコード開発ツールを用いた新規事業でさらなる事業成長を目指す
AWS 導入やシステム開発のクラウド化をしたことで、社内にどのような影響がありましたか?
AWS 導入やシステム開発のクラウド化によって、IT インフラの基盤が整い、ローコード開発ツールによる倉庫管理システム、流通加工システムの開発ができるようになりました。システム開発課の半数以上を占める20代以下の若手が主体となり「Pleasanter®」「Magic® xpa (マジック エックスピーエー)」というローコード開発ツールを用いた開発に力を入れています。会社として新しい挑戦ができるのは、IT インフラの基盤が AWS で作れたからだと感じています。
ローコードによるシステム開発は敷居がやや下がるので、プログラミング経験の浅い若手を中心に関心をもって取り組んでくれていると感じています。プログラミング言語の習得が難しいなど、システム開発に至るまで難色を示されることもありますが、彼らのモチベーションを底上げする意味でも良い影響はありますね。
今後AWSを活用してやっていきたいことなどの展望はありますか?
新しい技術をキャッチアップしようとする意欲のある若手に AWS などをもっと習得してもらうなど、人材育成に力を入れていきたいと考えています。また、現状は EC2 や RDS などの利用が中心ですが、今後は Amazon Bedrock など他の AWS サービスも活用して、自社のデジタルトランスフォーメーション (DX) をより推進していきたいです。
* Pleasanter® は株式会社インプリムの登録商標です。
* Magic® xpa は Magic Software Japan K.K. の登録商標です。