株式会社デジタルキューブ

Keywords

#サーバレス#AWS#Lambda

わずか9ヶ月で新規事業のSaaSをローンチ!サーバレスアーキテクチャをフル活用したヘプタゴンの伴走型”高速開発”

Client

株式会社デジタルキューブ

2006年の創業以来、WordPress を軸に事業を展開。「Amimoto」や「Shifter」といった Web ホスティングに関する自社プロダクトに加え、TPM 上場・IPO プロジェクトを支援するクラウドサービス「FinanScope」を開発。大手企業から成長企業まで、業種・業界を問わず多くのクライアントとの協業実績があります。

https://www.digitalcube.jp/

ヘプタゴンが
お手伝い
したこと

  • ヘプタゴンによる開発の伴走支援で、新規事業のクラウドサービス「FinanScope」を何も無い状態から、サービスや機能の改善をアジャイルで進めていき、わずか9ヶ月間で一般提供ができた。
  • FinanScopeのバックエンドは全面的にサーバレスアーキテクチャを採用し、AWS LambdaとAWS API Gateway、Amazon DynamoDBを軸としたイベント駆動型の構造によりユーザ規模に合わせたスケーラビリティと高いコスト効率を実現できた。
  • スピード重視の要望に見事応え、同業他社と比べて高い費用対効果を実感。不具合も開発者が丁寧に調査して応えてくれる手厚いサポートによる安心感は他社には無い強み。

地方の企業の事業成長や事業承継をサポートする、上場準備クラウド「FinanScope(ファイナンスコープ)」は、株式会社デジタルキューブが開発・提供するクラウドサービスです。IPOや上場のために必要な、複雑なタスクを可視化し、管理できるようにすることで、経営者や管理部門の手間を軽減し、プロマーケットへの上場やステップアップIPOに最短で導きます。

FinanScopeは3つのサービスとして、Valuation(バリュエーション)・Management(マネジメント)・Consulting(コンサルティング)を展開しています。特にValuationとManagementは同プロダクトを支える主力サービスとなっており、ヘプタゴンが開発支援をさせていただきました。

「ビジネスアイデアはあっても、開発に落とし込むノウハウが無かった」と語る同社に、ヘプタゴンがAWSを活用した伴走支援をした結果、柔軟なスケーラビリティと高いコスト効率のバックエンド開発を実現し、サービスを計画通り一般提供でき、さらに安定稼働も実現しています。

株式会社デジタルキューブ取締役 兼 FinanScopeプロダクトマネージャー和田拓馬様に、ヘプタゴンの支援によって生まれた事業へのインパクトと効果について、お話しいただきました。

経営者が様々な選択肢が取れる世界を実現したいーーヘプタゴンの伴走支援で実現したスピーディな新規事業立ち上げ

── 上場準備クラウドFinanScopeのサービス概要について教えてください。

企業の事業成長や上場・IPOをサポートする、上場準備クラウド「FinanScope」は、株式会社デジタルキューブが開発・提供するクラウドサービスとして、2023年9月ベータ版を提供開始し、2024年1月に正式版を提供開始しました。

当社は2024年10月に上場をしましたが、上場準備でFinanScopeを実際に活用しました。自社の経験から、上場準備に必要なすべての作業をクラウド上で可視化し、標準化することで地域間の情報格差をなくし、地方企業でも無理なく上場できる世界を実現する、というビジョンを持っています。

FinanScopeのようなクラウドサービスは、当社で前例の無い新規事業の位置付けでした。ベータ版でもとにかく早く市場にサービスを出して、ニーズの有無を確かめながら、サービスや機能の改善をアジャイルで進めていく「スピード」が必要でした。

株式会社デジタルキューブ取締役 兼 FinanScope プロダクトマネージャー和田拓馬様

── ヘプタゴンが支援したFinanScopeの主力機能について教えてください。

FinanScopeの主力サービスであるFinanScope Valuationは企業価値の算定を自動で行うサービスです。例えば、企業はM&A時に、競合企業の値付けを参考にして、株価算定をします。一般的に、専門家への株価算出依頼は40万円〜50万円が相場ですが、Valuationを使えば、専門家に依頼しなくても、カジュアルに株価を算定できます。

もう一つの主力サービスFinanScope Managementは、上場準備に必要なすべてのタスクの期限や担当者をクラウド上で管理して、コミュニケーションが取れます。企業が上場準備を進めるなかで直面する証券会社とのメール+ Excel などの煩雑なやり取りや進捗管理に費やす膨大な時間や工数の削減を目的として作られました。
Valuationの部分ではヘプタゴンの力も借りて、データソースを活用して企業価値の計算を自動化しました。結果的に、4ヶ月でベータ版ローンチ、ゼロからフルスクラッチで9ヶ月で本番リリースと、本番環境でのリリースまでとてもスピーディな開発ができました

── ヘプタゴンにFinanScopeの内製化支援を依頼したきっかけは何ですか?

当社とヘプタゴンはグループ企業なのですが、グループ企業だからこそ生み出せる相乗効果とスピードに魅力を感じ、ヘプタゴンにFinanScopeの内製化支援を相談しました。

私はFinanScopeの事業責任者ですが、技術のことは初心者でした。なので、サービスのフロント開発は自社のエンジニアに依頼しつつ、APIのつなぎこみやデータベースの設計・保守などの内製化支援はすべてヘプタゴンにお任せしました。

時系列では、2022年11月にヘプタゴンの代表である立花さんへサービスの構想を伝え、その翌月の12月にはヘプタゴンの技術者も交えて本格的な議論を開始しました。そこから開発に着手して、2023年9月にはFinanScopeの主力サービスのValuationを一般提供でき、そこから4ヶ月後の2024年1月にはManagementという主力サービスを一般提供できました。

FinanScopeのManagementサービスの実際の画面

上場準備クラウドFinanScopeのバックエンドにサーバレスアーキテクチャを採用。AWS Lambdaによる柔軟なスケーラビリティを実現

── FinanScopeを支えている、フロントエンドとバックエンドの採用技術名を教えてください。

開発責任者 ヘプタゴン 立花:FinanScopeのバックエンドはヘプタゴンが担当しました。バックエンドは全面的にサーバレスアーキテクチャを採用しており、AWS LambdaとAWS API Gateway、Amazon DynamoDBを軸としたイベント駆動型の構造によりユーザ規模に合わせたスケーラビリティと高いコスト効率を実現しています。AWS Lambda内はPythonでコーディングしており、IaCとしてはAWS CDKをTypeScriptで記載しています。

フロントエンドは、React + Redux Toolkit で、状態管理の非同期処理に Redux-Saga を使っています。スタイリングは、Tailwind CSSで、API通信はfetchとaxiosを併用しています。ビルドはVite、デプロイはAWS Amplify です。

FinanScopeのバックエンドのAWS 構成図

── ヘプタゴンの支援の効果はいかがでしょうか?

はい、大変満足しています。まずバックエンドの開発はヘプタゴンがいなければ対応はできませんでした。スピード重視という当社の要望に応えてくれたことによる満足度もありますが、新規事業は収益が担保されていない側面もあるので、初期費用はなるべく抑えたいという要望にも柔軟に応えてくれました。だいたい開発費用は、キックオフからローンチまで3000万円ほどでしたが、外部に依頼していたら2,3倍はかかっていたと思うので、費用対効果はとても高い内製開発でした。

開発の進行の点でも、様々な代案をいただきながら進めておりましたので、依頼者としても意思決定がしやすい状態でした。また皆さんがこちらの依頼にも親身に対応してくださり、スキルだけでなく人柄も素晴らしい会社だなと感じました。

ヘプタゴンの強みは手厚いサポートによる”安心感” 同業他社と比べて高い費用対効果を実感

── 仮に、ヘプタゴンの技術的支援がなかったらFinanScopeのサービスの立ち上げはどうなっていたと想像できますか?

かなり難しかったと思います。ローンチの直前になってAPIの連携周りで難しかった部分がありましたが、違う会社のデータベースを活用して何とか進めることができ、その辺りも柔軟に対応いただきました。

また、ローンチ後の機能改良も引き続き対応いただいており、開発時のことを理解していただいていますので、開発だけではなく”保守”までまるっとお任せできる安心感があります。万が一、お客様からプロダクトについてお問い合わせがあったときに原因を尋ねても、開発者が丁寧に調査して応えてくれる手厚いサポートもありがたいです。

── ヘプタゴンの支援による「予期せぬ効果」はありましたか?

Valuationは株価算定をクラウド上で実施する機能ですが、その技術が特許として認められることになりました*。特許の取得は対象物の新規性が問われます。今回のFinanScopeは技術として真新しさがあるかという点において評価されました。(*2024年3月頃に申請し、数回の審査を経て2025年3月に査定がおりた)

デジタルキューブとしても私個人としても特許取得は初めてでしたので、素晴らしい機会をいただいたなと感じております。

── 今後新しくヘプタゴンがご支援させていただくとしたら、FinanScopeで挑戦または実践してみたい技術的な試みはありますか?

現在、プロダクトの中に生成AIを組み込むサービスの開発を一緒に進めております。実用化には難易度が高い分野ではありますが、実現できると上場準備のプロセスを劇的に変えられる新しいプロダクトになれると確信しています。ぜひ引き続きヘプタゴンには伴走のご支援をお願いしたいです。