頼れるパートナーとの「分業」が「自走」を生んだ。2か月で2万人規模の申請システム開発を実現したプレイノベーションの挑戦!

Client 株式会社プレイノベーション

福島県郡山市に拠点を置く、探究型問題解決に強みを持つデジタル・エンジニアリング・ファーム。12年以上の事業運営を通じ、現在は製造・教育・医療・福祉・交通・建設等の多岐にわたる分野で、地域の中堅・中小企業を対象にした新規事業開発支援や DX 推進事業を中心とした展開を行っている。

福島県郡山市に拠点を置く株式会社プレイノベーション様 (以下、プレイノベーション) は、AI 活用と企業の DX 支援を軸に、顧客の事業の本質の見極めから支援するシステム開発企業です。

プレイノベーション様は、福島県中小企業診断協会様が事務局を担った「福島県中小企業賃上げ緊急一時支援事業」の申請受付システムの開発の案件を受注されました。本プロジェクトの開発期間は約2か月という短期間での機能性だけではなく、セキュリティと安定性が求められるシステムをリリースする必要がありました。

同システムのインフラの設計・構築から監視までを担ったのは、以前から技術相談を受けてきた東北のパートナー、ヘプタゴンです。ヘプタゴンの支援により「2万人が利用する大規模なシステム開発を少人数の開発体制でもリリースでき、その先の”自走”まで辿り着くことができた」と語る、エンジニア 諸根 理仁様、エンジニア 早川 宗一様、エンジニア 辺見 直哉様にお話を伺いました。

課題

  • 2か月という短期間で、セキュリティ・可用性・スケーラビリティが求められる大規模な助成金システムのインフラを設計・構築する必要があった。
  • 助成金システムという特性もあり、データが消えたり、申請が届いていなかったりすると大問題。可用性や完全性、高度なセキュリティ要件も求められ、運用の水準をこれまでより一段上げる必要があった。
  • 自社の人的リソースだけでは、24時間365日の監視体制を構築するのが難しく、高いスケーラビリティや可用性が求められるシステムの開発ノウハウも不足していた。

施策

  • ヘプタゴンのフルマネージドサービスで、インフラの設計・構築から監視・保守を専門家へ依頼する分業体制を構築。アーキテクチャレビューから、コードによるインフラ構築も支援。
  • AWS 利用料の高騰などのコスト的負荷を、メトリクスに基づくリソース管理と請求代行サービスによって調整を行った。

結果

  • 納期通りの2か月でシステムをリリース。公開前に本番環境での動作確認の時間も確保でき、2万人規模の助成金申請システムを、インフラ起因の大きなトラブルなく円滑に処理することができた。
  • 稼働中の本番環境のコストを利用データに基づき段階的に削減し、コスト最適化によって費用対効果を向上できた。
  • システム全体をプレイノベーション社内で考え、AWS などインフラ領域の知識が求められる要件はヘプタゴンに相談する仕組みで “自走する体制” の基盤が社内にできた。

福島県郡山市から、地域の課題に本質から向き合うプレイノベーション

プレイノベーション様の事業と強みを教えてください。

諸根様:プレイノベーションは福島県郡山市に本社を構え、AI 活用や DX 支援を幅広く手がけています。特徴は、システム開発ありきで考えずに、お客様の課題の本質を見極めた上でシステム設計を手がける点です。

究極的には、システムを作らなくても解決できる課題なら、その方法で解決を図ります。そのうえでシステムが必要だとなれば、開発まで自社で担います。上流から入り、事業の本質的なところから一緒に考えることを、プレイノベーションでは大切にしています。

御社の開発プロジェクトについて教えてください。

諸根様:当社のお客様である福島県中小企業診断協会様が、福島県から受託された「福島県中小企業賃上げ緊急一時支援事業」の助成金申請受付や窓口業務のシステム化です。

プレイノベーション様が対応した、福島県中小企業賃上げ緊急一時支援事業の申請受付に伴う特設サイト (画像は同サイトから引用)

同事業は大量の助成金申請を見込んでいたので、手作業のオペレーションではとても対応できませんでした。そこで当社が申請受付システムのご相談を受けて、開発を担うことになりました。あわせて、内部のコミュニケーションやドキュメント管理のツール選定・設定、電話受付の仕組みづくりなど、事務局の業務全体が回るように支援もしました。

ヘプタゴンに支援を相談されたきっかけを教えてください。

諸根様:協会様から相談をいただいたのが2025年末でした。その2か月後には、ランディングページなどで周知を始め、助成金の窓口を立ち上げなければなりません。クラウドでのシステム化は必須でした。

助成金の窓口なので、万が一データが消えたり、申請が届いていなかったりすると大問題です。可用性や完全性、高度なセキュリティ要件も求められ、運用の水準をこれまでより一段上げる必要がありました。とはいえ、当社のリソースも限られていたので、以前から技術的な相談をさせてもらっており、頼れる存在でもあるヘプタゴンにお声がけしました。

早川様: セキュリティと安定性が求められるシステムのインフラ設計・構築から、リリース後の監視体制の整備までを考えると、自社のリソースをやりくりして対応するより、実績と信頼のあるヘプタゴンのフルマネージドサービスをお願いするほうが確実だと考えました。

約2か月で2万人規模の申請に対応できるシステムを納品。ヘプタゴンのフルマネージドサービスによる “分業体制” で短期でのリリースを実現

年末の着手から2月末のリリースまで約2か月という短い納期でしたが、プレイノベーション様は AI をフル活用することで、最小限の体制でフロントエンドからバックエンドまでを実装することで対応しました。

同社の事例記事で、エンジニアの担当者が AI を活用の効果を「5〜10人分の生産性があった」と振り返っていますが、この少人数開発を支えた背景には AI による開発とあわせて、ヘプタゴンがインフラ構築と監視を担う “分業体制” の存在があった、と諸根様と早川様は語ります。

プロジェクトを進める上でどのような課題がありましたか?

諸根様:高いスケーラビリティや可用性が求められるインフラのノウハウが社内には不足していましたし、24時間365日の監視体制を自社だけで整えるのも現実的ではありませんでした。

もし開発と同時にインフラの構築やエラー対応にも追われていたとしたら、自社のリソースを AI 開発の全面的な活用に割けなかったと思いますが、インフラの構築から監視はヘプタゴンのフルマネージドサービスにお任せし、プレイノベーションは AI を活用した開発に集中する「分業体制」を敷けたことで、インフラ周りは気にせずに、AI 開発にリソースを集中投下できました。

AI 開発への挑戦とヘプタゴンとのインフラ分業体制を両立した当時を振り返るプレイノベーション 諸根様

「これなら寝ていても大丈夫そうだ」突然のアラートにもすぐ対応。24時間365日見てもらっている “安心感”

ヘプタゴンの支援で、どのような効果がありましたか?

諸根様:インフラ周りをアウトソースできたことによる社内のリソース不足の解消もさることながら、技術的に困っていたところを、しっかりカバーしていただけました。アーキテクチャのレビューから助言をいただき、構成への不安を解消しながら、開発を進めることができました。

助成金システムの運用が始まってからは、申請ボリュームの見込みやメトリクスの測定に基づいて、リソースを適切に見積もり、変更していただきました。おかげで、トラブルなく大量の申請を処理できました。

また今回は AI を使っている関係で、利用量が急増するタイミングがあり、カード払いでの運用に対する懸念や不安を抱えていました。こうした料金面の不安も、請求代行という形でヘプタゴンに頼ることで払拭できました。余計な費用をかけず、かといって不安もなく運用を回せたのはヘプタゴンの支援による効果です。

辺見様:開発面では、助成金サイトの公開日までに余裕をもってインフラ環境を構築していただいたおかげで、本番環境での動作確認や公開準備の時間も十分に取れ、安心してリリースを迎えられました。

公開後にコスト削減をお願いした際も、止められない本番環境に対して、利用状況のデータをもとにインフラのコストを段階的に下げるご提案をいただき、安心してコスト削減を進められました。

ヘプタゴンの支援により、当初短期間で進めることを予定していたプロジェクトが余裕を持って進み、本番環境での動作確認や公開準備の時間も十分に取れ、安心してリリースを迎えられたと語るプレイノベーション 辺見様

特に印象に残っていることはありますか?

諸根様:AWS からアラートが届いた際に、お休みの日なのに担当エンジニアの濵野(はまの)さんからすぐにSlack で連絡をいただいたことです。濵野さんの連絡の速さにはびっくりしました。「これなら寝ていても大丈夫そうだ」と思えるほどの安心感がありました(笑)。

早川様: こちら主導でメンテナンスに切り替えた際も、すぐに反応していただきました。保守では何かあるとすぐに連絡をいただけるので、しっかり見ていただいている安心感がありました。急な追加のお願いにもすぐ対応していただき、的確な対応とアドバイスに何度も助けられました。

ヘプタゴン 濵野:今回の助成金システムのインフラ構築・運用・保守を担当させていただきました。今回リポジトリを共有いただいた時点ですでに多くのコードがあったので、プレイノベーション様側でも触る機会が多いだろうと考え、開発/インフラ双方で運用がしやすいようにリソースごとにレイヤーを分割しています。

また、ステージングや本番など環境ごとにワークフローを分け、誤った環境への反映を防いでいます。今回プレイノベーション様の開発支援を通じて、私自身もコンテナ環境の設計、運用について大きな学びになりました。

ヘプタゴンとの協働で「安心を感じたエピソード」をチームメンバーで和やかに語ってくれました (画像左 早川様、画像右 諸根様)

協働でエンジニアのスキルを高め、内製化の経験値を上げたい。プレイノベーションとヘプタゴンの挑戦

プレイノベーション様のエンジニアの “自走” について変化はありましたか?

諸根様:実は今回ヘプタゴンにご支援いただく上で個人的な目標に「最終的に自走できるようになること」を掲げていました。頼れるパートナーがいるからチャレンジしてみようと思えましたし、困ったときにすぐ解決できる安心感を持って開発できました。

構築で手いっぱいになると、育成や内製化に向けたレベルアップは正直できません。今回は、まず社内で早川がインフラの見立てを考え、それをヘプタゴンさんにチャットで相談してリソースを変える、という形で進められました。相談できる前提があるからこそ、社内で考える力が育ったと感じています。

ヘプタゴンの支援は、どのような開発会社におすすめですか?

諸根様:完全に業務をアウトソースして代わりに作ってもらうというより、伴走してもらいながら自社のレベルアップを狙う会社にすごく合うと思います。AWS に詳しい方が多く、質問したりアドバイスをもらえたりするのはとても貴重です。

それから、東北の会社同士というのも大きいです。AWS でいろいろやりたいけれど、自社の実績だけではお客様に心配されそう、という場面があります。そんなとき、価値観が近く、地方の案件の実績が豊富なパートナーと組めることは、エンドユーザー様にとっても安心材料になります。AWS を使った新しい案件にチャレンジしたい会社にはぴったりだと思います。

画像左 諸根様、画像中央 辺見様、画像右 早川様

今後、ヘプタゴンに期待することを教えてください。

諸根様:プレイノベーションではモバイルアプリ開発の取り組みも増えています。また、自社専用の環境で AI を動かしたいなど、よりエッジに寄ったクローズドな環境への要望も出てきました。そこにどう応えていくかを、一緒に考えていけたらと思います。今後も難易度の高い案件では、ぜひ相談させてください。

他には、基幹システムのモダナイズや新規構築の相談が増えています。開発したベンダーがもういない、担当者が一人しかおらず定年も近い、といった切実な相談も少なくありません。仕様書がなく、どことどうつながっているか分からないケースも多いです。

システムがないからこそ自由に作れた時期を経て、地方でも「既にあるシステムをどう変えるか」が問われる段階に入っています。現場の実情を近くで見ている地元の開発会社だからこそ、気づける課題です。

こうした新規構築の案件も、引き続き一緒に共有しながら取り組めたら嬉しいです。


郡山を拠点に活躍する少数精鋭チームが、AI を武器に約2か月で大規模な申請システムを実現し、ヘプタゴンがインフラの構築と運用でその土台を支えました。東北で顔の見える関係を重ねてきたからこそ生まれた、分業と伴走の形です。

ヘプタゴンはこれからも、地方の開発会社が “自走” し、地域の課題に挑み続けられるよう、プレイノベーション様に伴走してまいります。